夫は、自分がDVの加害者だという自覚がないように思うんです。気に入らないことがあると、嫌味を言ったり、物や人に当たったり、暴力を振るう癖に、自分は良き夫であり、良き父親だと思っている節があります。
自分の思い通りにならないと、肉体への暴力だけでなく、言葉での暴力を振るうわけですが、その結果として、どれだけ私が夫のことを怖がっているか、まるっきり理解していないんですよね。この人の不機嫌と一生付き合わなければならないのかと思ったら、ゾッとしたのは、もう18年も前のこと。
結婚する前は、優しくて、ミスをしても笑って赦してくれていたような人が、結婚した途端に豹変したんですよ。なんでも自分の思う通りにならないと、怒鳴って暴れる。
私だって、いつもニコニコしていられるわけじゃない。夫の言動に傷つくこともあるし、夫の尻拭いにうんざりすることだってあるんです。それでも、離婚しないのは離婚したら、子供たちとは一緒に暮らせなくなるだろうし、生活していくことが出来ないからなんですよね。
もし、自分に経済力があったら、卑屈にならずに対等の立場で喧嘩をすることもできると思うのですが、残念なことに私には経済力がまったくない。
結婚や妊娠を機に退職しようと思っている女性の皆さん。子育てと仕事の両立は大変ですが、できる限り、仕事は辞めず、経済力は維持しておいた方が良いです。そうしないと、いざっていう時、私のように我慢を強いられて、心の病を発症してしまうこともあるかもしれませんから。
夫を機嫌よくさせておくためには、掌の上で転がせって言うけれど、私には、暴力夫を転がすだけの知恵がありません。
だからね、夫の言うことに逆らわないことにしているんです。どんな理不尽なことであっても、はい、はい、と言って従っている方が殴られるよりは、ずっとマシです。
ストレスが溜まって、胃が不調になって病院通いする羽目になってしまっても、薬で胃の調子をコントロールできるのだから、暴力夫と対峙するよりもずっとマシなんですよ。
適当にご機嫌を取りながら、自分が1番、偉い、賢いと思わせておくために、私だけではなく子供たちも、夫に不都合な事実は隠蔽したり捏造したりして、なんとか家族という形を保っているんです。
生活を支えてくれている分、夫には健康で長生きをしてもらわなければなりませんが、その長生きに私まで付き合う必要はどこにもないですよね。夫より先に逝って、天国で静かに眠りたいのです。まったく、男を見る目がないから、こんなことになるんですよね。
こんなことになるなら、一生、独身を貫き通せば良かった。しみじみ、そう思わずにはいられないんです。