母は自立型ケアハウスに入居している。今まで、妹に任せっきりだったが、妹が根を上げてしまったので、朝の電話だけは私がすることにした。ところが、母が電話に出ないことが増え、ケアハウスに電話して母の無事を確かめることが増えてきた。
母が入居しているのは、あくまでも自立型のケアハウスだ。そんなに頻繁に様子を見に行ってもらっていたら、自立とは認められず、退去させられることもあるかもしれない。母は耳が遠くて補聴器を使用しているが、大音量でテレビを見ていたりするから、コール音が聞こえないことも多々あるようだ。
母が配膳された食事も取りに来ない(コロナのために食堂は閉鎖されていて、食事は個室でお弁当を食べる)、姿を見ることもないというようなことがあったら、スタッフが気が付いて妹に連絡が行くはずなので、部屋で倒れている心配はしていないが、妹は心配で仕方ないらしい。なので、妹を安心させるためにケアハウスに連絡することになる。
ぶっちゃけ、母と会話をするのは苦痛だ。何を喋っているのか理解に苦しむこともある。電話に出なければ、出ないで困るわけだし、私もそれほど暇ではない。高齢なんだから仕方ないとは思う。でも、それを言い訳にされても困るのだ。今朝もケアハウスに電話して、母の安否確認をしたけれど、肝心の母は携帯のせいにして、全く私の話を聞いてはくれない。
首に携帯をかけておくとか、ポケットに携帯を入れておくとか、必ず手元に携帯がある状態にしておいてくれれば済む話なのに、それが通じないのだ。
生気のない声で、なんだかわかんないのよって言われると、認知症の始まりじゃないかと思ってしまう。実際、時々、おかしなことを言うことが増えては来ている。やはり、母に自立型のケアハウスは無理だったんじゃないかと思うのだ。
何も焦って、入居を決める必要などなかったのに、他の施設は見学もせず、最初に見に行ったケアハウスに入居を決めてしまった。歩けなくなれば退去を求められるし、認知症になっても退去だ。母は自分が置かれた立場を分かっていない。
もう、自分の足で歩くのも難しくなっているし、言っていることもおかしい。妹がヒステリーを起こすのも分かる。できるなら、私だって放置しておきたい。同居しても上手くはいかないのは経験済みで、施設で暮らしてもらうしかないのだが、何でわざわざ自立型を選んで、それを私のせいだと責められるのかわけが分からない。
母に携帯を手放さないで、必ず、側に置くように伝えても、分からないと言って電話を切ろうとする。都合が悪くなると、聞こえない、分からない、だ。今年で88歳を迎えるのだから、ある程度仕方ないと諦める必要はあるかもしれないし、母の話に合わせておけばいいのかもしれないが、朝の忙しい時間帯に1時間も電話をかけ続けるとか、私の精神衛生上も良くないと思う。
もしかして、私の幻聴はこの母への電話が原因になっている可能性だってある。
母に電話をしても通じないと、困るのだ。薬を飲んだかどうかの確認もできない。安否はケアハウスで、確認が取れるだろうけれど、毎日、毎日、ケアハウスに電話するわけにもいかない。その辺りが、母の理解できない点なんだろう。
母が電話に出てくれさせすればいいのだ。話の内容なんて興味もない。言いたいことだけ喋って、電話を切ってしまうのはいつものことだけど、妹から引き継いだミッションだけは意地でも達成させなければという思いがある。もう、いっそ退去させて、ターミナルケア付きの施設に移すことも検討しなければならないだろう。
母は抵抗するだろうけど、それが母のためでもあるし、私たちのためでもある。これ以上、ケアハウスに迷惑はかけられない。言っていることがハチャメチャだし、言動もおかしい。このまま退去勧告が出されるのを待つよりも、自分たちで探して引っ越させる方がいいだろう。
冷たいようだが、自立型は無理だ。母が自覚していないだけで、何もまともにできていない。これで、要介護認定されると新しい入居施設も探し易くなるのだが、母は要支援2だ。何もできなくても介護にならない。この国は破綻しているんじゃないのか。
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