ウクライナ情勢は他人ごとか？

ロシアがウクライナを併合しようとしている。旧ソ連時代の国土を手に入れたいのか、巨大な国土を手に入れて、地球上の国の上に君臨したいのか真意のほどは分からない。でも、一方的にウクライナを武力で併合しても、国際的に認められるわけもなく、結局のところロシアにとってはマイナスになるのではないかと思うのだが、その辺り、プーチン大統領はどう考えているのだろうか。

日本もロシアに経済制裁を科すというし、これでは北方領土問題も進展することはないだろう。下出に出たとしても、ロシアはおそらく北方領土を返す気なんて全くないに違いない。領土を失うくらいなら、戦争でも仕掛けてくるのがロシアという国だ。

そう考えてみると、ウクライナ情勢は決して他人ごととは言えないと思う。ロシアは昔から凍らない港が欲しかったらしいので、北方領土だけじゃなく北海道侵攻とかしないとは言い切れない。憲法9条が日本にあるから、そんなことはあり得ないと信じ切っている人たちもいるが、そんな事情が世界に通用するわけがない。

ウクライナは既に、一部地域がウクライナからの独立をロシアが認めている。認めているのはロシアだけだが、既成事実を作ってしまえば、併合するのはそれ程難しくはないだろう。もともと親ロシア派の人たちが住んでいた地域ということだが、ロシア側が送り込んだロシア人が住んでいたという情報もある。

とにかく、ロシアはやる気満々だ。NATOが介入しなければ、ウクライナに勝ち目はないだろう。このままでは戦争は避けられないだろうし、その影響は日本にも波及するだろう。やることが強引過ぎる。日本は島国だから、陸続きの国家間の緊張などは理解できないかもしれないが、やっていいことと悪いことの区別くらいはつく。

ウクライナの今の状況は、決して許されることではないし、ロシア軍は早々に引くべきだろうとは思うが、ここで兵を引き上げるということはないだろう。攻撃されているのが日本ではないからと、高をくくっていると、台湾有事が起きた時に痛い目をみることになるかもしれない。

ウクライナと台湾がどうして結びくのか分からないかもしれないが、今、ロシアがやっていることは、中国が台湾に対してやろうとしていることと一緒なのだ。もし、日本が台湾の味方をしたら、中国は日本にも攻撃を仕掛けると脅しているのは知っているだろう。アメリカの庇護がなければ、自国を守れない日本はアメリカがどちらに着くかで対応が変わる。

日本が日本人だけで自国を守れないから、自分たちの判断で行動することができない。まったくもって情けない。自衛隊を国防軍とし、日本人だけで日本を守ることを考えるべきだ。戦うのはアメリカで、その陰に日本は隠れていればいいなんて考えは、日本がアメリカの属国になってもいいということだ。独立国なら、それらしく自力で何とかできるようにしなければならない。

あるいは、同盟国と手を結んで同等の立場で戦えるようにするか、守ってもらうという受動態ではなく、あくまでも同等にだ。NATOのような組織があったら参加するとか、考えた方がいいのではないか。

ロシアのやっていることも、中国がやろうとしていることも決して許されることではない。国際社会のバランスも崩れるし、他国を奪うなんて、決してしてはいけないことなのだ。でも、ロシアはクリミアに続き、ウクライナも自分たちの領土だと言い、中国は台湾も含めて一つの中国だという。それを国際社会が許したら、彼らはどこまでエスカレートするか分からない。

ロシアは、旧ソ連時代の思想を捨てきれないし、中国は中華思想に支配されている。他国を尊重できないし、他国を認められない。私は台湾を支持するが、アメリカがどう出るか分からない。軍事侵攻はあるのか。戦争は嫌だが、このままでは戦争になる。日本はどうするのか。アメリカにくっついて行動するのか。

イランを攻撃した際、日本はアメリカの言いなりにはならなかった。独自に動いたと記憶している。それは、イランが日本の友好国であり、アメリカと一緒に攻撃することが憚られたからだろう。ウクライナに関しても、台湾に関しても、日本は独自に行動を決めて欲しいと思う。アメリカの追随をするのではなく、自分たちの頭で考えて欲しい。

独立を守るには国力がいる。経済的にも軍事的にもだ。日本は軍事力が圧倒的に足りない。自衛隊は人不足に悩み、国民は訓練を阻む。いざ、ミサイルが撃ち込まれた時には、頼りになるのは自衛隊しかいないのに。マジで、早く憲法改正をして、自衛隊の立場を明確にして欲しい。戦争に巻き込まれないためには、あの国を攻撃したらヤバいことになると思わせる必要がある。これが抑止力だ。

もし、ウクライナにロシアと対等に戦える軍事力があったら、こんなに簡単に一部地域の独立ということにはならなかっただろう。そもそも軍事衝突をしようということにもならなかったかもしれない。世界平和が軍事力の拮抗の上に成り立っているというのは微妙な気分だが、戦争を引き起こさないためには、今は必要な手段なんだろうと思う。

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