夫が年齢と病気を理由に一線から身を引きたがっている。でもね、そんなことは許せない。散々、迷惑と苦労をかけてきたのだから、死ぬまで働いてもらわないと困る。子供たちがちゃんと働きに出てくれれば引退できると言うけれど、子供たちの支え失くして、生活はできないって忘れてる。
社長は次男坊だ。娘は社員だ。2人とも仕事らしい仕事は何もしていないけれど、ニートにしか見えないけど、夫の稼ぎをあてにしているけど、それでも、いなければ今の生活は維持できない。経済的にではなく、娘は夫の足になっているし、次男坊が社長の肩書背負ってくれたおかげで仕事ができているんじゃないの?就職したら、誰が病院まで送迎するのかとか、買い物はどうするのかとか、全く考えてはいないんだろう。
娘はともかく、次男坊も三男坊もメンタルをやられて仕事はできない。そりゃ、無理矢理させればできないこともないだろうけど、あまり、お勧めはできない。それに、社長業の肩書を背負ったままでは仕事に就くことはほぼ叶わないだろうし、バイトしたとしても時間制限がある。ダブルワークには時間制限が付くのだそうだ。就職させたいなら社長交代をしなくちゃいけない。
夫は簡単に引退するとかいうけれど、引退なんてさせて堪るかっていうのが、私たちの一貫した意見だ。好き放題やってきて、何が引退だ。体がきついのは分かるし、そんな体で仕事をしなくちゃならないのはおかしいとも思う。でも、日本の福祉が脆弱な以上、引退はあり得ない。年金もらう歳になったんだから、引退したいとか、そんな甘えが許されると思うのか。
そもそもの間違いは、自分が表に立ちたくないからと次男坊に社長の肩書を押し付けたことにあるだろう。娘に跡を継がせようとしたことにあるだろう。すべて、自分が蒔いた種ではないのか。三男坊は逃げてしまったけど、移住先でメンタルをやられて仕送り生活だし、その原因もこの家で感じていたストレスが引き金になっているんだろうと思う。
夫のいる生活で、ストレスを感じずに過ごすなんてできない。いつも苦虫嚙み潰したような顔をして不機嫌でピリピリしている夫は典型的なフキハラで、八つ当たりが酷いから、その被害に遭わないようにいつも私を守ってくれていたのだ。結局は自分で蒔いた種であり、今更、仕事をしないとかって文句を言える筋合いではない。
娘は楽な生活を覚えてしまったから、今更、就職は考え難いだろう。次男坊も同様だ。私たちの生活は夫にかかっている。余命宣告を受けたからといって、自由にできる時間を与えるつもりはない。子供たちが就職してくれたらって言うけれど、就職させなかったのは自分だろう。
まあ、子供たちも甘えている部分が大きのは認めるけど、そうさせたのは夫本人だ。仕事を覚えさる時間がないのも事実だが、時間を捻りだして次男坊と娘に仕事を教えるべきなんだと思う。彼らだけで仕事を回せるようになったら、夫は用済みになるが、用済みになった夫に、もう用はない。今、労わってもらえるのは仕事をしてくれているからであって、何もしなくなった夫に優しくできるほど人間できていない。
自分がいなくなった後の子供たちの行く末を案じているが、まあ、その時はその時で何とかなるんじゃないかと思っている。夫が将来の話をすると、それまで生きているのか?って疑問が浮かぶが、生きて仕事をしてもらわないと困る。後は、夫が死んだら、どうしたらいいのか、きちんと分かるように残してくれればそれでいい。
今更、子供たちが就職できるとも思っていないし、自分たちでやっていくしかないのだ。子供たちにその自覚を持たせることができればいいが、なかなか難しい。今なら、夫のコネで仕事先は見つかるかもしれない。もし、本当に子供たちを職に就かせたいと思うなら、次男坊の社長交代は必須だし、娘の運転手役はお役御免にしないとダメだろう。
夫の言動は矛盾しているのだ。本気で引退を考えているのなら、子供たちの首根っこ押さえつけてでも引継ぎをするべきだし、膨大なデータを頭に中に入れておくのではなく、子供たちに伝授する方法を考えた方がいい。
会社の名前を使って、好きな仕事を立ち上げろって言っているけれど、起業にそれ程熱心ではない子供たちが、簡単に起業できるわけもない。まあ、それじゃダメなのは重々承知しているが。
先々のことは心配しかない。だから引退は認められない。子供たちが就職したところで、私の生活の面倒まで見られるとも思えない。先の見通しが甘かったのは夫自身なのではないか。それなら、ぶつぶつ言っていないで、大人しく仕事していればいいのだ。引退など、誰も認めない。取引先にしても、夫相手だからっていうのはあるはずだし、いきなり担当変わりましたっていうわけにもいかない。
自分たちがやってもいい方向には進まないと娘は言う。じゃあ、どうするの?って思うんだけど、具体案は全くないらしいし、今のぬるま湯生活が、確実に子供たちを腑抜けにしているのも事実だ。それでも、私は子供たちに夢を諦めて欲しくはないと思っている。夢が叶うまでは決して引退はさせたりしないから。
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