メンタルクリニックのドクターに最近、落ち着いているねって言われた。もしかして、寛解の兆候が見えてきた?メンクリから卒業できる?少し、希望の光が見えてきたけど、でも、相変わらず続く幻聴もどき。不眠を考えると、さあ、すぐに卒業ですとはいかないかもしれない。
卒業してもすぐに出戻る可能性は大いにあるわけで、20年間もメンタルクリニックに通い続けて、ここ数か月調子がいいからといって、簡単に減薬しましょう、断薬しましょうにはならないとは思う。薬のおかげで調子がいいだけかもしれないし。でも、真っ暗闇だった世界に少し明かりが見えてきたようで、少し嬉しかった。
希死念慮はもうない。長生いしたいとも思わないし、大きな病気が見つかったとしても積極的に治療をする気もないけれど、積極的に電車止めてこようかとか、下にいる人巻き込んでしまおうかとか、そういった物騒なことは考えなくなった。
リスカなんて、もう、あんな痛いものする気にもなれない。よく、まあ、切り裂いてきたものだと自分で感心してしまう。オーバードーズもしてない。薬は用法容量を守って飲みましょうをちゃんと実践している。
こう考えていくと、抗うつ剤を呑んでいた頃の気分の波は何だったんだろうと思う。私の心の病には抗うつ剤よりも向精神薬の方が効いただけなのかもしれないが、苦肉の策で打った策が上手くいったというところだろう。
今、心の病に苦しんでいる人も希望を捨てたらいけない。いつかはきっと良くなるんだ。普通の人は死を考えないって言うけれど、確かに積極的に死にたいとは思わなくなる日が来るし、外出も苦痛じゃなくなる日が来る。時間はかかるかもしれないけど、楽になれる日は必ず来るんだ。
心の病は目に見えないし、ドクターもそれなりに歳を取ったし患者の数も多いから、私が前に話したこととか忘れてしまっていることも多いけど、でも、調子がいいねって言われるとやっぱり嬉しい。長いこと苦しめられてきた心の病から、卒業できる日も近いかもって希望が持てた。心の病があった方が都合のいいこともあるけれど、やっぱり健康な方が100倍くらいいいと思う。
もちろん、私の場合、ここまでになるまでが長かったから、再燃の可能性は高くなっている。ちょっとしたことで再燃して再び、メンクリのお世話になるだろうって覚悟も必要だ。だから、卒業は慎重に行われることになるだろう。
少なくとも、まだ、減薬の指示も出ていないし、規則正しい生活をするように注意はされているけど、心は軽い。幻聴が聞こえる時点で、まだ、卒業は無理なんだって分かっているけれど、それ以外の症状が治まっていることが嬉しい。
あとは、どうしたら悪口を言われているような気がしなくなるかだ。それと、不眠を何とかしないと。そこがクリアできたら、本当に卒業だろう。再燃するかもしれないけど、気をつけて生活すれば、酷くなる前に受診すれば、もしかしたら、薬漬けの生活から足が洗えるかもしれない。齢60にして、やっと寛解の兆しが見えてきた。
もともと、子供の頃から心の病の兆候はあったんだ。当時は気が付かなかっただけで、相当、病んでいたと思う。これはヤバいと思わせてくれたのは、夫が前妻さんとの子供を連れ帰ってきたからなんだけど、おかげで、メンタルクリニックにも通うようになったし、クリスチャンにもなったし、悪いことばかりじゃなかったと今では思える。
全てのことには教訓が含まれていると言ったのは、佐野元春だけど、まさにその通りだと思っている。当時は辛かった。記憶を失くすくらいには辛かったし、夫の仕事がことごとく失敗して経済的に追い詰められていたこともきつかった。
あれで、メンタルをやられない人は多分、いないと思う。どんな楽観主義者でも不安のどん底で蠢く生活が続けば、心が死んでもおかしくない。まあ、その割に夫はメンタルやられていないけど、ストレスで胃をやられているのは確かだ。彼はどうやらメンタルではなく体に異変が起こるタイプらしい。
体に異変が起きるからって、何も突発性拡張型心筋症なんて難病にまでなることはないのに、余命宣告までされたりするから、周囲も巻き込んで慌てる。本人が1番、気にしていないんじゃないかと思うけど、そこが彼の強みなんだろう。
とにかく、私の調子は悪くない。これで断薬したらどうなるかは分からない。でも、もしかしたら卒業できるかもしれないんだ。長い心の病のトンネルのずっと先にだけど明かりが見えるところまで来られた。それだけでも奇跡だ。ちゃんと治療を続けてきて良かった。面倒だからといって、通院を止めなくて良かった。
寛解する。きっとその日は来るんだ。
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