妹から電話があって、母を病院に連れていってくれないかと言う。忙しいから無理だと断ると、ヒステリー炸裂。自分も忙しい。お姉ちゃんはちっとも協力してくれない。往復4時間かけてママのところに通っているのに、云々かんぬん。正直、気分が悪い。
何で、私が母を病院に連れていかなくちゃならんのか。そのケアハウスを選んだのは自分たちでしょって言いたい。最初から、医師在中の施設に入れておけば負担にならなくて済んだわけじゃん。それを自立型のケアハウスを選んだのは私じゃなくて、母と妹と母の友人だ。こっちはターミナルケアまでついた施設を探しているのに、何で他の施設は見学さえせず自立型ケアハウスなんて選んだのか。
母は1人で外出もで出来ないから、部屋に閉じこもってしまって足の筋力が衰え、すぐに転ぶし、刺激を受けることも少ないから認知症も発症してしまった。歩けなくなったらケアハウスは退所することになる。認知症が進んでも退所だ。次に入る施設を探すことになる。
私は忙しいから、母を病院には連れていかれないと言ったけど、実際にところは母にも妹にも会いたくないのだ。まあ、妹は仕事の関係上、来ないかもしれないが、私は母に会いたくない。母だけじゃない。誰にも会いたくないのだ。でも、そう言ったら、妹は我儘だと責めるだろう。
会いたくないのは、おそらくはメンタルの病気のせい。それを受け入れてくれるほど、妹に理解があるわけではない。それが分かっているから忙しいと言って断っているのに、電話の向こうで騒ぎ立てている。忙しいのも事実だが、何よりも会いたくないのだ。
自分のしてきたことを考えれば、母に会いたくないというのはお門違いといえるかもしれない。もっと献身的にならなければいけないのかもしれない。何かも奪ってしまったのは私だから。でも、もし、実家が無事で、金銭的にも余裕がある状況だったとしても、衰えた母が1人で暮らせるとは思えない。
叔母と2人で暮らしていたかもしれないが、87歳と86歳、折り合いをつけて生きていかれたかどうか。全財産を奪ってしまったのは、私の復讐心からだ。でも、復讐しても気分は全く晴れないから、もし、復讐を考えている人がいるとしたら、やめておいた方がいいと言っておく。復讐したからといって、全てを赦せるかといったら、そんなことはないし、復讐したことによる罪悪感だけが残る。
妹は自分ばかりが母の面倒をみなくちゃならないってヒステリックに叫ぶけど、もし、母が離婚の道を選んでいたら、私は置いていかれる身だったんだということを忘れている。2人も連れていかれないからって、私のことは捨てたんだ。信じられない。私が離婚を考えた時、子供4人を連れて出ることを考えたのに、2人も育てられないってどういうことなのか。
母は離婚を思い留まっただけで、私は捨てられたという気持ちはなくならない。選ばれた妹が母の面倒を1人で見なければならなかったはずで、お姉ちゃんは何もしてくれいないって言われても困る。
私は何かするつもりなんて、これっぽっちもないのだ。母に長生きさせたくて、甘いものやドレッシングの使用を禁止し、食べる楽しみを半減させたのは妹だ。その結果、母が長生きしているんだとしたら、母に手がかかるようになるのは目に見えていたことだろう。介護が必要になっても生きていて欲しかったんじゃなかったのか?
冷たいけれど、母が数年前に入院した時、私は母の死を望んだ。生き延びたとしても、面倒をみきれないと思ったから。母が回復して施設にも戻れて、妹は喜んだかもしれないけれど、それも束の間。どんどん衰えていく母を少しでも長生きさせるためにあの手この手で、母の生活に干渉している。
それだけ生きていて欲しかった母なんだから、私に病院に連れていけじゃなく、自分で時間調整して行けばいい。会社も休めないかもしれないが、私に頼むのがそもそもの間違いだろう。
私が外出することを良しとしない夫がいて、家内工業的な会社を経営していて、専業主婦とは名ばかりの仕事を手伝えわなくちゃいけない状態なのだ。おまけに、夫は先日、階段から落ちて怪我をしていて機敏には動けなくなっている。留守の間に何があるか分からないのに、置いて出かけることはできない。
私が外出しようと思ったら、子供たちの誰か1人が私に付き添わないとならないし、そうなったら、夫の面倒をみてくれる人がいない。専業主婦で小さい子供がいるわけでもないから暇だと思われているのかもしれないが、主婦には休みがないっていうことに何故、思い当たらないのか。自分だって1年半とはいえ、主婦業を兼ねていた時期があっただろうに。
もう、嫌だっていうのなら、毎週、母のところに通わなければいいと思うのだ。母1人では何もできないのは承知しているが、それもこれも織り込み済みで、自立型ケアハウスに入所させたのではなかったのか。不便極まりない場所にあって、母が絶対に1人で外出できないようなところを選んだのではないのか。甘えないで欲しい。私は母にも妹にも会いたくなんてないんだ。
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