親の欲目は置いておいて、うちの娘は結構な別嬪さんだ。本人は全く気が付いていなかったらしいが、最近、ちょっとだけ自分、イケてんじゃね?って思うことがあったようだ。グラマーな体型、綺麗な顔立ち、だから、できれば夜は外に出したくない。特にこの季節、誰がうろついているか分かったものではない。
それなのに、親の心配を横目に、隣の駅から歩いて帰ってくることが多いのだ。うちは住宅街にあるから、夜は街灯もそれほど多くないし、人気も少ない。そんな中を歩いて帰ってくるなんて危険過ぎる。少し、お金はかかるけど、駅からタクシーを使えって言っているんだけど、そのお金がもったいないと歩いてしまう。昼間なら人目も多いが夜はそうもいかないのに。
娘は今年で24歳になる。彼氏の1人もいていい年齢だが、推し活に忙しくて、彼氏を作る暇はないようだ。まあ、恋とはしようと思ってできるものではないし、ある日、ある時、突然、落ちることもある。そうなったら、どうすればいいのか親としての心構えができていないのが私だ。
子供たちは、全員、いつ結婚してもおかしくはない年齢だが、その気は全くないらしい。私と夫の関係を見ていたら結婚に希望が見られなくなっても当然だろう。それでも、長男坊の将来の設計図には、結婚ということも入っているようだが、それも北海道に移動になったらの話。先は長い。
娘も結婚には決して後ろ向きというわけではないらしいのだが、推しよりも魅力的な人が現れない限り、難しいだろうなって思う。彼女の推しは、結構、頻繁に変わるのだが、デートをする暇があったら推し活に時間を使いたいらしい。せっかくの別嬪が勿体ない気もするが、ここで結婚して家を出るとかになったら、それはそれでこの家が回らなくなる。
娘は、本当に別嬪さんだから、結婚を意識して動いたら、あっという間にお婿さん候補が集まるだろうとは思う。でも、彼女のおめがねに敵う相手がいるかどかだ。求めるものは大きいし、それを叶えるのは普通のサラリーマンでは無理がある。そのことは彼女も自覚しているが、自分の容姿については、本当に、やっと気が付いたかという感じだ。
自覚したなら、もう少し、気をつけて行動して欲しいと思うのだが、どうも危機感が足りない。変質者は何処に潜んでいるか分からないのだ。それに、多分、そんな変質者は、女性側の容姿などどうでもいいと思っているだろう。相手を選んで遅いっかかっているとは思えない。
でも、ナンパ男は容姿で選んで声をかけてくる。その辺り、娘に自覚があるかどうかだ。徹底的に無視してくれればいいが、世の中にはしつこいナンパ男もいる。こっちが無視しても付いてくることもあるし、それは昼でも夜でも、あまり変わりはない。
だからといって、ずっと家に閉じ込めておくわけにもいかないし、親としては心配で仕方ないのだ。自由は保障され、尚且つ女性が安心して1人で外出できる社会なんて、ないのかもしれない。行き過ぎた心配は、イスラム教だけでたくさんだとも思う。もともと、マホメットが考えたのは、女性の安全だったのだろうし、一夫多妻制になったのも、戦争で未亡人になってしまった女性を救済するためだったはず。
戒律をガチガチに守って、狭義に解釈してしまったから、女性には教育の機会も仕事の機会も与えられなくなってしまったわけだ。
話が飛んだ。でも、ブルカを着せて歩かせるわけにはいかないのも分かっている。だから、娘には最大の警戒をして欲しいのだが、そこまでの自覚は持っていない。若い頃なんて、怖い思いをしなければ、気が付かないのかもしれない。
まあ、別嬪過ぎるから敬遠されるということもあるだろう。そこに期待をかけて、彼女の外出に制限をかけるつもりはないが、隣の駅から歩こうとか考えるのはやめて欲しいと思うのだ。隣の駅からだったらタクシーに乗れ。
コロナ禍のために、外出のほとんどが車になったのは、彼女を守るためには良かったことかもしれない。運転するには彼女だが、東京に出る時や、駐車場がない場所に出かける時には、やはり公共個通機関を使うことになる。それも心配だ。
仕事は自宅で家業を手伝っているから、出勤の手間はないし、普通の家庭のお嬢さんたちに比べたら、ずっと危険は少ないのだが、どの親御さんもかなり心配して送り出しているんだろううな、って思う。ほとんどの時間を家で過ごす娘であっても、かなり心配なんだから、毎日、通学、通勤しているお嬢さんのいる家庭では、私の心配の比ではないだろう。
自分が綺麗だと自覚ができたのなら、立ち振る舞いもそれなりにしてくれると、母親としては大変ありがたいと思うのだが、男兄弟の末っ子のために未だ、お転婆で困るのだ。
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