三男坊は何としてでも北海道に留まろうとしている。でも、子会社の代表を務めれいる以上、勤務時間に制約があり、食べていかれるだけの収入を得ることはできない。どんなに仕事を探しても、生活できないということを、いまいち理解できていない。もう、帰ってくる以外に選択肢はないのだ。
彼が帰ってくる前提で、全てのことは運んでいるから、留まりたいと言われても、どうしようもない。今更、代表を代われないし、代わるんだったらもっと前の段階で代わるべきだったのに、のらりくらりと話し合いをかわしていた結果がこれだ。
少なくとも、この家に住む4人は、三男坊が帰ってくることに一票を投じている。反対しているのは彼だけだ。いくら夫が嫌いでも、その嫌いな夫の稼ぎで今まで生活してきたわけで、それでも嫌いだから帰らないっていうのはどうかと思う。嫌いと感謝は別物だ。帰ってきて、夫が嫌いで顔も見たくないって言うならそれでもいい。会わないようにすれば済む。
それに、夫も変わったと思う。相変わらずフキハラかもしれないが、昔より怒ることも少なくなったような気がする。それに、夫の言葉に反論はしないけど、スルーすることもできるようにはなった。今、帰ってきても、理不尽に当たられるということはないだろう。そりゃ、相変わらず、私の我慢の上に成り立っている部分も多いけど、そのことに関して、私は苦痛を感じることも少なくなった。もう、三男坊が板挟みになることはない。
いい加減、観念して帰ってきて、ここで療養しろって思う。1人で暮らさせているより、ずっと安心できる。
もちろん、帰ってきたら、私の負担は増える。1人増えただけでも大きく違う。それでも、今は帰ってくるべきだ。寛解したら、北海道でもどこでも好きなところで働けばいい。代表の座も外してもらえるだろう。今はややこしい手続き等があるから、代表を外すわけにはいかないが、ことが済んでしまえば、代表交代はいくらでもあり得る。
兄妹がいくら説得しても帰るとは言わなかったらしい。夫にメールするといってもメールをしてこない。こちらとしても、ちゃんと話し合いたいのでメールでやり取りするだけでは駄目だ。もう、ここまで来たら首根っこを掴んで引き戻すしかない。
来月からは仕送りは一切出来ないと伝えてあるわけで、三男坊は焦って仕事探しをしているけれど、代表である以上、正社員で雇ってもらえるわけがない。バイトでは家賃も光熱費も払えないだろうし、納得して帰ってこさせる方法はないのか。
こちらが、言えば拗ねるし、誰の言うこともきかない。彼にとって北海道が魅力的なのは、夫と遠く離れているからだけではないのか?しかも札幌のこだわるのは何故なのか。いずれにせよ、ニート生活には終止符を打ってもらって、帰ってきてここで療養するしかないだろう。そして、今度はちゃんと就職先を見つけてから、北海道でもどこでも移住していけばいいのだ。
ここに夫がいるから寛解しない、それは嘘だ。嫌いな相手がいたところで、合う薬にさえ出会えれば、健常な人と変わらない生活ができるのは私で実証済みだろう。
帰ってこい。もう、北海道で1人にしておくわけにはいかない。配信ができるなら電話くらいできるだろう。不特定多数の人を相手に配信するよりも、知った相手と電話する方が疲れないと思うのだがどうなんだろう。
できれば、クリスマスまでには帰ってきて欲しい。本音を言えば、今すぐでもいい。だいたい仕事が見つかったとしても、続かなければ意味がないのだ。寛解さえしてしまえば、夫のコネで入れる企業はあるのだから、意地を張るより、大人しく言うことをきいた方が得策だろうと思うのだが、ここには帰らないという強い意志を持っているらしいのだ。
でも、今のままでは、絶対に仕事は続かない。規則正しい生活ができていない。朝、起きられないで、どうやって仕事に行くのだ?うつ病が悪化するかもしれないのに、働かせるわけにもいかないっていうのもある。実際、私の場合は悪化して退職を余儀なくされた。
起こす人もいないのに、仕事が続くとも思えない。信用がないのだ。深夜まで起きていて朝起きれない。朝日を浴びて、セロトニンだかドーパミンを出すようにすることもない。このままでは路上生活者になるしか道がないって、何で気が付かないのか。そして、そんな生活を私たちがどれだけ心配しているのか、まるで理解しようとしない。
帰ってこい。嫌でも帰ってきて、ここで療養すればいい。仕事が起動に乗るまででもいい。とにかく、他に選択肢を与えることもないし、無理矢理にでも引きどすしかないのだ。
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