母がケアハウスに入居した頃から、妹は食事が摂れなくなった。母のことが心配過ぎて、食事も喉を通らない、夜は眠れないという生活を続けてきたらしい。結果として、もともと細かった体はますます細くなり、スキニーのジーンズに隙間ができるほどやせ細ってしまった。
それでも、体調管理はしていたらしく定期的に歯科医と接骨院には通っているらしいのだが、このままだと、20年後には歩けなくなると言われてしまったそうだ。体幹がなくてストレッチすらできない。細いというより薄いといった印象で、このままではヤバいと自分でも思ったみたいだが、母が亡くなって心配事が一つ減ったから、これから、もう少し自分の体調面も気遣ってくれるようになるだろうとは思う。
妹の年齢だから、食べないダイエットはしない方がいいのだ。本人、ダイエットのつもりはなかっただろう。ただ、母が心配過ぎて、食べれなくなってしまっただけだろう。でも、痩せてしまったし、それは骨粗しょう症を引き起こす原因にもなるし、ロクなことはない。
かといって、私のように太っているのが正しいということもない。ほんと、ダイエットしても太る。絶対、お菓子の食べ過ぎなんだろうって分かっているけど、やめらないんだな、これが。運動しても、ダイエット茶を飲んでも、ダイエットサプリを飲んでも痩せない。ある意味、妹が羨ましくもあるが、歩けなくなると宣言されるのも嫌だ。
まあ、歳相応にっていうのが1番なんだろう。これが、なかなか難しいが、私も全身に肉がついているのなら今の体重でも気にしないが、お腹だけポッコリ贅肉の塊というのが気に食わない。天使のベルトというけれど、天使のベルトどころか天使の腹巻くらいには贅肉がついている。
私の贅肉に話は、また今度するとして、ダイエットもし過ぎるとロクなことにはならないって話をしたいんだ。特に歳を取ってからのダイエットは、気をつけないと腰が曲がったり、骨折の原因になったりする。妹みたいに、痩せ過ぎて筋肉まで落ちてしまうということになると、ちゃんと食べて、ちゃんと寝るっていうことの重大さがよく分かる。健康であればこそだ。
痩せていれば美しいみたいな考えは捨てた方がいいのだろう。健康面で不安が出るほど太っているのは問題だが、標準体重なら、無理に痩せる必要はないと思うのだ。ある程度の年齢になると、痩せていると貧相に見える。若い子も、ダイエットのし過ぎて生理が止まったり、若白髪になったりするのだから、痩せている=美しいというのは嘘だろう。
若い頃の無理なダイエットはおそらく、大人になってから影響が出るし、高齢になってからの不調にも結びつくと思うのだ。ダイエットしたいなら、1年に1㎏ずつ減らすくらいの気長さが欲しい。短期ダイエットはリバウンドするし、肌もボロボロになるからお勧めはしない。太ってもいないのに、体重を気にして食べるものも食べないというのは、絶対にやめた方がいい。
まったく、国によっては太っている方が美人というところもあるというのに、気にし過ぎだ。
痩せているといえば夫もそうだ。体幹もないだろう。夫の場合、心臓が悪いから運動はできない。食事も塩分制限があるから美味しいものも食べられない。糖尿もあるからカロリーコントロールは必要なのだが、私の半分くらいの食事量で生活しているせいか、足なんて私の腕くらいの太さしかない。下半身だけがガリガリなのだ。
バランスが悪いからすぐに転ぶし、杖がなければ歩けない。本人は歩けるつもりでいるが、おそらく、徒歩5分もないコンビニまで歩くこともできないだろう。移動は車中心になるし、自分では運転しないから、娘の運転が欠かせない。心臓が悪くても、体感トレーニングができればいいのだが。
本当に痩せ過ぎは良くない。歩けなくなるというのは事実だろう。夫を見ていたらそれはよーく理解できる。筋力があるつもりでいるが、実際のところ、筋肉は落ちているし、家の階段だって這って登る始末だ。心臓が悪いとかそういう問題ではない。筋力がそれだけ落ちてしまっているのだ。
腹八分目とはよく聞く言葉だが、夫の場合、腹五分目だ。痩せていっても仕方ない。その結果、ますます歩けなくなっていく。そのうち、立つこともままならくなるだろう。それまで生きていればの話だが。
細くて羨ましいとは、とてもじゃないが思えない。過ぎたるは及ばざるがごとしって言うけれど、まさにその通りだと思う。夫の場合、病気をしてから痩せたのだが、かつての大きな体はすっかり縮んでしまった。コンビニまでも歩けない。階段も登れない。そんな痩せ方をするのは嫌だ。
妹にしろ、夫にしろ、痩せ過ぎなのだ。それは全然、美しくない。本当に食事って大事だ。つくづく、そう思う。タンパク質も炭水化物もビタミンも、必要な栄養素は摂らなくちゃダメだ。まったく、美しくない。
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