夫は気が短い。すぐにカっとして、暴言を吐く。スルー出来ればいいのかもしれないが、私はまともに受け取ってしまう。自分さえ我慢すればいいって思ってきたけれど、どうやら我慢にも限界というものがあるようで、もう、一緒にやっていく自信がない。かといって離婚して生きていかれるのかって言われると厳しいところではある。
60歳を超えて、安定して雇ってくれる場所があるのか。経済的な問題をクリアできない。おまけに精神疾患を抱えていて、働けるのかという不安もある。離婚して生活保護という手がないわけではない。犯罪に手を染めて刑務所って手もある。日本の最後のセーフティネットは刑務所だと思っているからね。人間らしい暮らしができないのは、生活保護も刑務所も変わらないだろう。
とにかく、自分の思い通りにならないと怒り狂ってキレまくって、暴れるから誰も夫に意見しない。夫が明らかに間違っていると分かっていても指摘できない。何を言っても無駄という思いと、キレられたら嫌だという思いから、結局、誰も何も言わない。
夫に質問したりできるのは、相当な猛者だと思う。まったく、前妻さんが別れた理由が分かる気がするよ。私だって、こんな人だと分かっていたら結婚なんてしなかった。結婚前には本性を上手く隠して、結婚した途端に豹変するのはよくある話だけど、まさか自分がその立場に立って、我慢に我慢を重ねて今日まで来てしまうとは。
変なところで我慢強かったことが、夫を図に乗らせたといってもいいかもしれない。まあ、結婚したての頃は喧嘩もしたんだけど、問題点をすり替えてしまうし、結局は自分の都合のいい結果に結びつけてしまうから、何の解決にもならなかった。
話し合っても無駄って思ってしまったら、あとは冷めていくだけだった。我慢して、我慢して、我慢して、それでも、夫は私が我慢しているとは、これっぽっちも思っていない。自分が抑圧しているなんて考えたこともないんだろう。
夫の機嫌を損ねないように、顔色を窺って生活するのは、もう限界だ。何も手伝ってくれないって言うけれど、十分、手伝ってきただろう。私は社員でもなんでもなくて、ただの扶養家族に過ぎない。家事はやるけど、それ以上のことをやる義理はないし、仕事関係のことは社員にやらせればいいのだ。それを私に押し付けるから、かえってややこしいことになる。
手伝わない、搾取するだけっていうのなら、提供してきた金銭を耳を揃えて返して欲しい。そうしたら、心置きなく離婚してやる。自分が受けてきた恩恵は忘れて、言いたい放題とか、どこまで人を馬鹿にした態度をとれば気が済むのか。自分が私たちにかけてきた迷惑は一切考えないのか。謙虚になるということはないのか。
本当に、もう、我慢の限界だ。後から後から憎しみが噴き出してくる。体力的には、もう、私の力の方が勝っているだろう。多分、ちょっとの力で夫は倒れてもがくだけだ。
でも、暴力に訴えたら、夫と同じ土俵に乗ってしまう。そこまで堕ちた人間になり下がりたくはない。
夫は心臓の難病で、もう長くは生きられない。だから、我慢できる部分もある。どうせ長くはないから、未亡人になったら、自由を手に入れられるって思うのだ。でも、それまで、一緒に生活していくのが苦痛なのだ。いい加減、自分が家族からどう思われているのか考えてみた方がいいだろうと思う。少しは反省した方がいい。
憎まれながら死んでいくのか、その死を喜ばれるのか、悲しまれるのか、考えた方がいい。今、夫に死なれると、いろいろ不都合はあるので、もうしばらくは頑張ってもらわなければならないが、自分が死んだ後のことは何も考えないとか、自分勝手にもほどがある。
こんな機能不全の家庭で育った子供たちが可哀想になる。我慢してきた私をずっと見てきたからこそ、今、緩衝材になってくれているのだろう。でも、それでいいはずがない。
私が立ち向かえばいいのだ。手伝っていないとは何事だと、言い返せればいいのだ。だけど、そんな勇気は何処にもないのが現実で、生きることにも疲れてしまった。最大の復讐は、夫が死ぬよりも早く、私が先に逝くことだろうと思うが、そんなことになったら、子供たちが悲しむ。それに、私の人生、なんだったんだろうって心残りもあるのだ。
ただ、もう我慢はできない。我慢の袋は破けてしまった。詰め込み過ぎて。この先、どうやって夫と折り合いをつけていったらいいのか、皆目見当がつかない。
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